珍獣日記
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まほう
自動ドアがひらいて
ちからいっぱいの ぱーの手
かまえたツインテールの
にこにこ顔のおんなのこ

そのまほう しってるよ
じょうずにできたね
すれちがうあしおと
笑うみたいに ぱたぱたと

あの人
初めて好きだ、と言ってくれた人の、よく弾いていた曲を久しぶりに耳にした。

原曲はあたりまえのようにあの頃のまま。
その年頃にしては大人びた内容の歌だったけれど、背伸びする頃だから。

誰もいない教室の真ん中で雷に打たれたみたいな、甘酸っぱいとかそんなきれいな感じじゃなかった。
あの頃の思い出の多くははみもふたもないほど苦くて恥ずかしい。

聞こえないピアノの音が頭の中をぐるぐると駆けて、あの人の顔が浮かんで消えた。

嫌いじゃなかったんだ。
好きでもなかったのは確かにそうだけど。
どうしたらいいか、わからなかったのも大きかったかな。
そのまま関係を育ててみればよかったのに、恋に恋する子どもにはそれができなかった。

ごめんねと、ありがとう。
こんなところで言ったって聞いてるわけないんだけど、その方がいいけど。

どうか幸せでありますように。
それからわがままな話だけど、あの曲をたまに耳にして、苦笑いとか、あの人もしてくれてたらいいな。

夕陽
とろとろに煮えた
空の底へ
ゆっくりと
沈む上弦の太陽
もう起きては来ない
きれいでもない
かなしいでもない
さよならときこえる
ただ見送る


ホタル
月は煌々
ほたるはほろり
夜に浮かべた涙のように

ゆめまぼろしかと
戸惑う足を
誘ってはきえてまた灯る

あかりにはたりない
迷宮のなかで
ともにさまよう旅のつれ

泣くもわらうも
水面にとけて
眠るように生きてゆくだけ

恋文
春は薄紅の髪飾り

夏は柳の恋ほたる

鈴の音ふるえる秋茜

届く便りに巡りゆく

千の景色に手を重ね

柔らかな君の声を聞く

愛しさ束ねて筆をとり

私も風の葉に結ぶの



せめて夢で会いたくて

ひとり夜空を見上げれば

枝に凛と咲く月あかり

ともに彼方を想う冬


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