珍獣日記
秋日和
朝陽を抜けて、ひこうき雲。
ひろいお空はきもちいいだろな。
とおい国へと一途に飛んでゆける。
ふぅ、とため息が舞い落ちてころがる。
ころがった先の野草がうなだれる。
つるりと滑って雫がひっそりと消える。

あの青の向こうの光に届いたなら。
彼もまた重いつばさで見上げるのかもしれない。

ひとりぼっちが寄り添って、秋日和。

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コスモス
ももいろの爪先
ひえた朝をかきわけて
こがねの小道を
ぽつぽつと歩いたら

ひかげのコスモス
花びらが寒そうで
ポケットの右手を
そっと差し出したけど

くすぐったそうにして
だいじょうぶだよと
笑われたようで

透明な空が呼んでいる
この一歩と次の一歩の
ほんの少しの隙間に

月は
欠けていてもきれい
うそじゃないけど
信じてくれなくていい

はずかしくて
うつむいたのは地球
太陽はいつもどおり
そこにいるだけ

舞い降りる秋の朝は
やわらかく撫でる
さよならの手

回り続ける時計を
いつまでも遠く
遠く感じて