珍獣日記
ススキの夜
ずいぶん髪が黒くなった。
と思ったのは気のせいだった。

黒いとこが増えただけ。
あかくしたとこはあかいまま。

なかったことにはならないんだ。
いつか切り落としたとしても。
わかっていたけど。


ススキのとなりでうとうとしながら、
白い月を見上げるように
旅立つ秋。

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がらくたからもの
「遊んでくれたお礼だよ!」

少年が差し出したのはヨモギの枝だった。
ヨモギ餅好きなんだって。

ばいばいの影が長く伸びて静かに夕暮れが横たわる。

散らかったままの落ち葉が手持ち無沙汰に転がる。
綺麗なのを連れて帰ろうとベンチの上から見渡した。

黄色と緑のグラデーション。
大きい小さい濃い薄い。
つるつるなのもあったけど。

穴だらけのこの子はきっととっても美味しかったんだろうな。
拾い上げて大事にポケットにしまった。

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ピーターパン
空が青い。
みんな真面目に影を連れて歩いてる。

そんなんじゃピーターパンになれないよ。
空の飛び方、わからなくなるよ。

ああ、だけど。


窓の向こうの景色はコントラストがきいていて。
思わず見とれた事に今ごろ気がついた。


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触れる朝
たろうさんがいた。
まだいた。

よかった。

かえるのたろうさんがじっとこちらを見るので、
人差し指のせなかでそっとなでてみた。

逃げなかった。

こわいだけなんだ。
わたしが嫌いなわけじゃ、ないんだな。

たったそれだけのことで、
幸せでたまらない朝。