珍獣日記
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スター
かれのはなやかなさいご
ながい物語のおわり
称えられて惜しまれて
思い出をのこして

庭の花壇の前に
小鳥としか分からぬものが
ぬれた翼を横たえて
春の嵐のあとに

きっとさむかったであろ
苦しまなかったならいいけれど
命に上も下もない
かわいそうだとは言わない

今朝のお皿にのるものも
膝でねむる子猫も
わたしもあなたもおなじ
うまえてきえていく

わらっていますか
しあわせですか
ひとをあいしていますか
それだけで いい

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パンチ
唐突にやってきた
膨らむつぼみなど見なかった
ある日突然の一撃
桜が咲いていた

さむいさむいと
終わりのない場所を
回り続けることなど
できるはずもなかった

穿たれた穴を
春と言う名で
括るにはまだ早い

欠けた場所は拾わない
花がそうであるように
次の一枚を重ねてゆくのだ

ああ生きてると思うだけで
むねがぎゅっとふるえる
きみはそれほど罪深い
きみが思うよりもずっと

流れて戻らぬせせらぎの
かすかな音さえ惜しまれて
遠い旅路を駆ける背を
枯れることのないようにと

繋いだ手をじっと見つめて
ただこぼれ落ちて消えてゆく
あいのことばを掬いとる

ひとりじゃない
とわじゃない
ここにいる
弥生
まだつぼみ
砕ける雨粒
さみしかろ
わずかな灯り
咲けば散るのに
トケイ
青くてちいさな時計を買った
安くて軽くておもちゃのような
ちゃんと普通に動いているのと
ついつい心配するような

それでも気付けばこぼれおちてくる
かちかちかわいい鼓動が響く
わたしのしらないあいだにひとりで
うたをうたってわらってる

とけるように過ぎていく日々も
この子がこうして音をたてながら
崩れていくならいいかもなって

青くてちいさな壁時計
羽をもたないわたしのことり
ずっとずっとそばにいて


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